自社ローン提携とは|30秒でわかる結論
自社ローン提携とは、信販会社のローン審査に通らなかったお客様を、自社ローンを扱う事業者につなぎ、成約まで持っていくための業務提携のことです。
ポイントは、提携の方式によって「販売店が何を負うか」がまったく変わるという点にあります。特に買取提携方式では、販売店は提携先に車両を売却するだけで、お客様とローン契約を結ぶのは提携先です。つまり、販売店側に貸し倒れリスクも与信業務も発生しません。
この記事の要点
- 「自社ローン」は1つの仕組みではなく、大きく3方式に分かれる
- 買取提携方式なら、販売店はローンを組まない・回収もしない
- 費用構造は提携先ごとに大きく異なる(加盟金ありもゼロもある)
- 比較すべきは「審査通過率」だけでなく入金サイトと車両取扱条件
なぜ今、提携先が必要とされているのか
審査厳格化で「これまで通っていた層」が落ちている
2024年11月、信用情報機関であるCIC(株式会社シー・アイ・シー)が「クレジット・ガイダンス」の提供を開始しました。これは信用情報を点数(スコア)として評価・提供する仕組みで、これにより与信判断のあり方が変化しています。
現場で起きている変化として、多くの販売店から次のような声が上がっています。
- 過去に延滞歴のないお客様でも審査が通らないケースが出てきた
- これまで通っていた属性層(若年層・勤続年数の短い方など)の否決が増えた
- 審査結果の理由が読みづらく、次の一手を打ちにくい
審査基準そのものは各信販会社の非公開情報であり、外部から正確に把握することはできません。だからこそ販売店側でできる対策は、「落ちた後にどうするか」をあらかじめ用意しておくことに絞られます。
取りこぼしが利益に与えるインパクトを計算する
審査落ちの影響は「1台売れなかった」だけでは終わりません。在庫が動かないことで、次の3つのコストが同時に発生します。
| 発生するコスト | 内容 |
|---|---|
| 粗利の逸失 | 成約していれば得られたはずの1台あたり粗利がまるごと消える |
| 在庫保有コスト | 展示スペース、保険、税金、資金の拘束が継続する |
| 商談コスト | 集客費用と接客に費やした人件費が回収できない |
試算してみましょう。以下はあくまで計算の考え方を示すための仮の数値ですが、自店の実数に置き換えてみてください。
逸失利益の試算例(数値は仮定)
月の審査否決件数:5件/1台あたり平均粗利:25万円
→ 月間の逸失粗利:25万円 × 5件 = 125万円
→ 年間換算:1,500万円
このうち半数を成約に変えられた場合、年間で750万円の粗利が戻る計算になります。
自店の否決件数を把握していない場合は、まず1か月間だけ記録を取ってみることをおすすめします。数字にすると、対策の優先順位が明確になります。
「自社ローン」には3つの方式がある
ここが最も誤解の多いところです。「自社ローン」という同じ言葉が、まったく異なる3つの仕組みを指して使われています。
① 自社割賦方式(販売店が自ら分割払いを受ける)
販売店がお客様に直接、分割払いで車を販売する方式です。審査基準を自店で決められる自由度がある一方、代金の回収リスクを販売店が全額負います。また、2か月以上かつ3回以上に分割して代金を受け取る販売は割賦販売法上の「割賦販売」に該当し、契約書面の交付義務など一定の規制を受けます。
② 買取提携方式(提携先が車両を買い取り、お客様へ販売する)
販売店は提携先に車両を売却し、提携先がお客様へ自社ローンで販売します。販売店はお客様とローン契約を結ばないため、回収リスクも与信業務も発生しません。カーマッチが採用しているのはこの方式です。
③ 保証会社付帯方式(保証会社が保証を付ける)
販売店が販売しつつ、保証会社が債務保証を付ける方式です。リスクは軽減されますが、保証料の負担や、保証会社の審査基準に沿う必要があります。
| ① 自社割賦 | ② 買取提携 | ③ 保証会社付帯 | |
|---|---|---|---|
| お客様の契約相手 | 販売店 | 提携先 | 販売店 |
| 回収リスク | 販売店が全額負担 | 販売店は負わない | 保証範囲まで軽減 |
| 入金タイミング | 分割で長期回収 | 車両売却時に一括 | 提携条件による |
| 与信・督促業務 | 販売店が実施 | 不要 | 一部発生 |
| 法規制の負担 | 割賦販売法の対象 | 通常の車両売買 | 方式により異なる |
| キャッシュフロー | 悪化しやすい | 改善しやすい | 中間 |
「自社ローンは危ない」という評判の正体
販売店の間で語られる「自社ローンはリスクが高い」という評判の多くは、①自社割賦方式を前提にしたものです。②の買取提携方式は仕組みがまったく異なります。検討の初期段階で、提携先がどの方式なのかを必ず確認してください。
買取提携方式の仕組み|販売店はローンを組まない
買取提携方式では、お金と車と契約が次のように動きます。
お金・車・契約の流れ
- お客様が来店し、信販会社のローン審査に落ちる
- 販売店がお客様の同意を得て、提携先に審査を依頼する
- 審査が通ったら、販売店 → 提携先へ車両を売却(ここで販売店に代金が入る)
- 提携先 → お客様へ自社ローン契約で販売
- お客様の返済は提携先が管理・回収する
この流れで重要なのは、販売店とお客様の間に金銭の貸借関係が一切発生しない点です。販売店から見れば「1台売れた」という通常の車両売買と同じ扱いになります。
結果として、販売店側には次の変化が生まれます。
- 売れ残っていた在庫が動き、資金が回り始める
- 審査落ちを理由に他店へ流れる客がいなくなる
- 「うちでは無理です」と断る場面が減り、接客の質が上がる
- 与信・督促といった本業外の業務が発生しない
なお、お客様に適用される金利や手数料は、審査結果に応じてお客様ごとに異なります。販売店側が金利を設定したり負担したりすることはありません。
提携にかかる費用の考え方
提携の費用構造は、提携先のビジネスモデルによって大きく分かれます。比較の際は、次の費目ごとに「あり/なし」を確認してください。
| 費目 | 内容 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 契約金・初期費用 | 提携開始時に支払う一時金 | 返金条件があるか |
| 加盟金 | フランチャイズ型で発生することが多い | 解約時の扱い |
| ロイヤリティ | 月額または売上歩合で継続的に発生 | 最低保証額の有無 |
| 審査手数料 | 1件ごとの申込に対して発生 | 否決時も発生するか |
| システム利用料 | 申込システムの月額利用料 | 初期設定費用の有無 |
カーマッチの場合
契約金・加盟金・ロイヤリティのいずれも発生しません。フランチャイズ加盟ではなく、審査に通らなかったお客様をご紹介いただき、当社が車両を買い取るという形をとっているためです。導入にあたって販売店さまが負担する費用はなく、合わなければ使わないという選択も自由です。
※令和6年1月1日 当社調べ
審査に落ちたお客様、
そのまま帰していませんか?
カーマッチが車両を買い取り、お客様へ自社ローンで販売します。販売店さまがローンを組む必要はありません。
- 契約金 0円
- 加盟金 0円
- ロイヤリティ 0円
- 審査通過率90%超
導入から成約までの流れ(5ステップ)
ステップ1|提携内容の確認
方式・費用・対応エリア・車両の取扱条件を確認します。契約書の内容、特に債権の帰属と買戻し条項の有無は必ず読み合わせてください。
あわせて、審査依頼の窓口(電話・専用フォームなど)、依頼から回答までの目安、担当者の連絡先も確認しておきましょう。実際の商談の場で慌てずに済みます。
ステップ2|審査依頼
ローンに通らなかったお客様に提携先の自社ローンを案内し、同意を得たうえで審査を依頼します。お客様の信用情報を扱うため、利用目的の説明と同意取得を必ず行ってください。
審査に必要な情報は提携先によって異なりますが、本人確認書類、勤務先や収入の情報、希望する車両と支払い条件などを求められることが多いようです。商談中に聞き取れるよう、項目を一覧にしておくとスムーズです。
ステップ3|審査結果の回答
提携先から審査結果が回答されます。ここでの回答スピードが商談の温度を左右するため、事前に目安を確認しておきましょう。
否決だった場合も、提携先によっては頭金の追加や車両の変更で再検討できることがあります。お客様に結果を伝える前に、代わりの提案ができるかを確認しておきましょう。
ステップ4|車両の売却
審査が通ったら、提携先へ車両を売却します。このタイミングで販売店に代金が入ります。
売却価格の決まり方、名義変更などの手続き、必要書類の準備をどちらが行うかは提携先ごとに異なります。事前に役割分担を決めておくと、手戻りがありません。
ステップ5|お客様への納車
提携先とお客様の間で自社ローン契約を締結し、納車となります。以降の返済管理は提携先が行います。
納車後、返済についての相談がお客様から販売店に寄せられることもあります。その場合の連絡先を提携先と共有しておけば、お客様を不安にさせずに引き継げます。
審査に落ちたお客様への伝え方と案内のコツ
提携先を用意していても、店頭での伝え方ひとつで、お客様が利用するかどうかは大きく変わります。審査に落ちたことはお客様にとって気まずい話題です。伝え方を店内でそろえておくことが、成約率を上げるいちばんの近道です。
「落ちました」で終わらせない
否決の結果だけを伝えると、お客様は「この店では買えない」と受け取り、そのまま帰ってしまいます。結果を伝えるときは、次の選択肢があることを同時に伝えるのが基本です。
また、否決の理由を販売店が推測で説明するのは避けましょう。審査の基準は各信販会社の非公開情報であり、誤った説明はお客様との信頼を損ないます。
案内のしかた(例)
案内トークの例
「今回のローン会社では、残念ながらご希望に沿えない結果でした。ただ、審査の基準は会社ごとに異なります。当店では、別の方式で分割払いをご用意できる提携先がありますので、よろしければそちらでも確認してみませんか。結果が出るまでお車はお取り置きしておきます。」
ポイントは、①お客様を責めない言い方にする、②別の方法があることを具体的に示す、③お客様が決められる余地を残す、の3つです。スタッフごとに言い方がばらつかないよう、店内で共有しておくと安心です。
同意と説明で押さえること
提携先へ審査を依頼する際は、お客様の個人情報を第三者に提供することになります。利用目的と提供先を説明し、同意を得てから依頼してください。
あわせて、提携先の自社ローンでは金利や手数料などの条件がお客様ごとに異なること、契約の相手が提携先になることも、事前に伝えておきましょう。後から「聞いていない」とならないことが、紹介したお客様の満足と、販売店の評判を守ります。
自社ローン提携でよくある失敗と防ぎ方
自社ローン提携は、仕組みを正しく選べば販売店の負担なく成約を増やせる方法です。ただし、次のような失敗も起こりがちです。契約前と導入直後に確認しておきましょう。
買戻し条項を見落とす
契約書に「お客様の返済が滞った場合、販売店が車両を買い戻す」といった条項があると、回収リスクは実質的に販売店に戻ってきます。買取提携をうたっていても条件はさまざまなので、債権の帰属と買戻し条項の有無は必ず確認してください。
入金サイトを確かめずに資金繰りが苦しくなる
審査が通っても、車両代金の入金までに時間がかかると、仕入れに回す資金が不足します。審査回答までの日数と入金サイトは、提携前に具体的に確認しておきましょう。
店頭で案内されず、提携が使われない
提携を始めても、審査に落ちたお客様への案内が一部のスタッフ任せになると、活用が進みません。案内のタイミング(否決の連絡をするとき)と伝え方を店内で決め、否決件数と案内件数を記録しておくと、取りこぼしが見えるようになります。
提携先を選ぶときのチェックリスト12項目
提携先を比較する際は、「審査通過率」だけで判断しないことが重要です。実務では入金サイトと取扱条件のほうが、日々の資金繰りに直接効いてきます。
比較チェックリスト
- 提携の方式はどれか(自社割賦/買取提携/保証会社付帯)
- お客様とのローン契約者は誰か
- 返済が滞った場合、販売店に買戻し義務は生じるか
- 契約金・加盟金・ロイヤリティの有無
- 審査手数料は否決時も発生するか
- 審査結果が出るまでの日数
- 車両代金の入金サイト
- 取扱車両の条件(年式・走行距離・価格帯)
- 対応エリアと持ち込み・陸送の扱い
- お客様の属性条件(在籍確認、居住年数など)
- 提携解除の条件と手続き
- 取引実績と店舗数
自社ローン提携が向いている販売店
次のような状況にある販売店は、自社ローン提携を検討する価値があります。
- 審査の否決で成約できなかった商談が、月に数件以上ある
- 若年層や勤続年数の短いお客様など、ローンが通りにくい層の来店が多い
- 動きの遅い在庫を抱えていて、資金を回したい
- 自社割賦を検討したが、回収や督促の負担が不安で踏み切れていない
反対に、否決がほとんど発生していない販売店や、扱う車両が提携先の取扱条件(年式・価格帯など)と合わない販売店では、効果が小さい場合があります。まずは1か月、否決件数と否決の理由を記録してから判断すると確実です。
カーマッチグループは全国180店舗を展開し、販売実績は23,000台を超えています(令和6年1月1日当社調べ)。大手中古車販売店やディーラーからもご活用いただいています。
よくある質問
自社ローン提携をすると、販売店がお客様の返済リスクを負うのですか?
買取提携方式であれば負いません。販売店は提携先へ車両を売却し、その時点で代金を受け取ります。お客様とのローン契約は提携先とお客様の間で結ばれるため、返済が滞った場合の回収も提携先が行います。
ただし方式によって扱いが異なるため、契約書で債権の帰属と買戻し条項の有無を必ず確認してください。
自社ローンの提携に加盟金やロイヤリティはかかりますか?
提携先によって異なります。フランチャイズ型では加盟金や月額ロイヤリティが発生することがありますが、紹介・買取型では費用がかからない場合もあります。カーマッチの提携では契約金・加盟金・ロイヤリティはいずれも不要です。
販売店が自分で分割払いを受けると違法になりますか?
直ちに違法になるわけではありません。ただし、2か月以上かつ3回以上に分割して代金を受け取る販売は割賦販売法上の「割賦販売」に該当し、契約書面の交付義務など一定の規制を受けます。第三者が代金を立て替える形にする場合は「個別信用購入あっせん業者」の登録が必要になるなど、方式によって適用される規制が変わります。
実際の運用にあたっては、弁護士等の専門家にご確認ください。
提携先に車両を売却した場合、入金までどのくらいかかりますか?
提携先の入金サイトによります。比較検討の際は、審査回答までの日数と車両代金の入金サイトの両方を必ず確認してください。この2つが在庫回転率とキャッシュフローに直結します。
どんな車でも提携先に買い取ってもらえますか?
提携先ごとに年式・走行距離・車種・価格帯などの取扱条件が設定されているのが一般的です。自店の在庫構成と提携先の取扱条件が合っているかを、提携前に確認しておくことをおすすめします。
自社ローンを利用するお客様の金利や手数料は、いくらくらいですか?
提携先や審査の結果によって、お客様ごとに異なります。販売店が金利を設定したり負担したりすることはありません。お客様への説明のため、条件の目安や説明資料を提携先に用意してもらえるかを確認しておくと安心です。
審査に落ちたお客様に自社ローンを案内するのは、失礼になりませんか?
伝え方しだいです。「この店では買えない」と感じさせる前に、別の方法があることを具体的に示せば、むしろ「親身に考えてくれた」と受け取られることが多くあります。
否決の理由を推測で説明しないこと、利用するかどうかはお客様が決められることを伝えるのがポイントです。
まとめ
ローン審査に落ちたお客様は、「買う意思があり、車を必要としている見込み客」です。にもかかわらず、多くの販売店では受け皿がないために、その場でお帰りいただくしかない状況が続いています。
自社ローン提携は、その取りこぼしを成約に変えるための仕組みです。ただし方式によって販売店が負う責任はまったく異なります。検討の際は、次の3点だけは必ず押さえてください。
- どの方式か(買取提携なら販売店はローンを組まない)
- 買戻し条項があるか(あればリスクは販売店に戻る)
- 入金サイトと取扱条件(資金繰りと在庫構成に直結する)
本記事のご利用にあたって
本記事は中古車販売店さま向けの一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。 法令の解釈・適用や個別の契約内容については、弁護士等の専門家にご確認ください。 また、記載している制度・数値は公開時点の情報にもとづきます。
※令和6年1月1日 当社調べ
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